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レッスン9 表情

今回は、ちょっと気持ちを楽にして、表情について遊んでみましょう。



 表情は、抽象的である心の中の動きを具体的な形に表したものです。表情には、それを理解する、一般的なルールがありますので、たとえば喜びを表現するとしたら、にこやかで明るい表情、と何らかのパターンが成立しています。しかし、人間の心は複雑で、「顔で笑って、心で泣いて」ということもあります。社会生活を送っていると、次第に、心の中をダイレクトに表情に出すことが少なくなります。

 表情は、顔面の表情筋によって目、鼻、口などがゆがみ、変化していきます。その他にも眼球の向き、汗や涙などの分泌物によっても、表情は変化します。

 

 思いつくままに、いろいろな顔パーツの組み合わせを試してみてください。にこやかな表情でも、涙をつけ加えると、何かを我慢して笑っているように見えます。また、笑った口につり上がった眉毛は、不敵な笑みを感じさせますが、そこに汗をつけ加えると、じつは自信が無い、という表情になります。

 いくつかのシンプルな曲線を組み合わせただけの顔であれば、おそらくだれにでも描けるはずです。メールの絵文字のように、だれかへあてたメモなどにちょっとつけ加えてみると、より心情が伝わることでしょう。


 今回の実習は、おもいっきり遊んでみましょう。紙はチラシの裏でもかまいません。単純な線を組み合わせた顔を、いくつも描いてみてください。そして自分なりの表情の表現を発見してみましょう。


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