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レッスン13 花

 今回は、花を描いてみましょう。どんな花でもいいのですが、私はガーベラを選んでみました。いかにも花占いをしやすそうな花です。

 花を描く場合も、全体の構造を把握していないといけません。細部にとらわれず、ときどき大きく全体の調子を見てみましょう。

 今回、参考作品の制作過程に於いて、数回デジカメで撮影しておきました。が、デジカメだとどうしても画像が暗くなってしまいますね・・・。前回のようにスキャナーを使うのが一番いいのですが、制作途中にスキャナーを起動させるのも集中力が途切れてしまうもので。

1 :

 最初はかる〜く鉛筆を画面にのせていきます。このときに、花の構造をしっかりとらえておきましょう。図のとおり、茎に円盤が刺さった状態をイメージしてアタリをつけます。

 円盤の厚みは、一番上の花びらと一番裏側の花びらの厚みになります。が、ここで厳密に花の厚みを気にせず、大まかなアタリをつけるまでにしましょう。

 茎も、太さの輪郭をここでは描かず、茎の中心の動きをとらえます。よく観察して、植物らしい動きを見つけてください。

2 :

 おおよその構造がつかめたら、花びらのアタリをつけていきます。このときも力をいれないように、軽く鉛筆を画面 の上に滑らせていきます。

 この段階で花びらのカタチが大幅に狂うと、あとで取り返しがつかなくなります。完成のイメージを思い浮かべて描き進めましょう。

 デッサンに限らず、モノを作るときには必ず最終的なイメージを想像する必要があります。イメージすることが大切なのです。

 茎は、このあたりで太さを含めたカタチをとっておきます。

3 :

 重なりが上の方の花びらからアタリをつけていき、キレイに重なるように下の層の花びらを描いていきます。

 花びらのアタリをとりながら、全体の構造を常に意識しておきます。ときどき大きなストロークで鉛筆を動かして、構造を整えます。近視眼的にならないように、注意しましょう。

  おおよそのカタチが整ってきたら、細部の描き込みを始めます。

 細部を見ると、ガーベラの花びらは、中心に膨らみと谷間があります。その立体感を表現するように描き進めていくと、細部ばかりが強調され、全体感を失ってしまいます。そこで描きすぎた箇所を練りゴムでポスポスと押さえ、余分な鉛筆の粉を取り除きます。花全体の立体感を大きく整えてから、また細部の描き込みを続けるのです。

4 :

 

花によっては花びらの数が異常に多くなったりします。例えば菊の花の場合などは厳密に花びらの数とカタチを合わせるのが困難になるでしょう。そういう場合でも忍耐と根性で出来る限りモチーフに近づけていくものなのですが、ある程度は「それっぽく見せる描き方」も必要になってきます。

 ガーベラの場合でも、中央部は細かい花びらが密集していますが、それを全て根性で描き込むわけではなく、 「それっぽく見せる描き方」で乗り切ります。このあたりからデッサン力の他に表現力というものが必要になってきます。どうやってそれっぽく見せるか、表現を試行錯誤してみましょう。

 また、スイートピーのような、花びらが少ない花の場合も表現が難しいです。よく観察してデッサンするとともに、花がより美しく見えるように表現してみてください。

5:

 描き始めてから約1時間後の状態です。この日はここでオシマイ。また翌日に続きを・・・と思っていたら、描ける時間には花が枯れていました(汗

 暖かい季節ですと、花が枯れるのも早いようです。購入するときに花屋さんに「どうやったら花を長持ちさせられるか」をよく聞くのがいいでしょう。その方法は花によって違いますので、その道のプロに質問するのが確実です。

 あともう少し細部を描写したかったのですが、モチーフが無くなってしまったので、今回はこの状態まででアップしてしまいます。

 花によっても時間は変わりますが、おおよそ2〜3時間あればデッサンは完成すると思います。出来るだけまとまった時間をみつけて、一気に描き上げる方が 良さそうですね。